吉田牧場さんを訪ねに岡山へ
吉田牧場さんを訪ねに岡山へ行って来ました。能登の塗師、赤木明登さんと智子からかねがね聞いていた美味しいチーズ。ずっと気になっており、先日初めてお取り寄せし賞味。そのあまりの美味しさに感動。心と体が微笑む味、チーズでは初めての体験でした。この思いをお伝えしたくお手紙を送らせて頂いたところ、早速ご返事をくださり、是非お会いしましょうとの有難いお言葉。全作さん、原野さんご一家、総出で迎えてくださいました。
吉田牧場さんは牛の飼育から搾乳、チーズづくりまで全てをおこなうフェルミエという存在です。ヨーロッパでは伝統的なものですが、日本では数少な、ましてや全作さんが始められた当初は非常に稀有な存在でした。というよりもこだわりを持ってつくられた国産のチーズの草分けが、吉田牧場さんそのものでもあります。
岡山出身の全作さんは北海道の大学を卒業後就職しますが、色々なお考え思いがありチーズづくりの道へ進まれました。きっかけはある雑誌に載っていた、カマンベールでチーズをつくりながら生きる夫婦の暮らしに感動したからだそう。大変な努力、試行錯誤を経て、美味しいチーズをつくられ、そのチーズはどんどん人気になってゆきました。詳しくはご著書の『吉田牧場 牛と大地とチーズとの25年』や『チーズのちから フェルミエ 吉田牧場の四季』をお読み頂けましたら。
吉田牧場さんのチーズの特徴は地に根ざしているということにあるのではないでしょうか。地球という大地で確かに生きる、人、植物、牛を繋ぐチーズという存在。日本の気候風土や岡山の自然に調和したチーズづくり。大量生産時代の到来で希薄になってしまった、生きるための食べ物。それらが宿していた素朴な、逞しく、優しい、味、栄養、喜び、美しさ。
チーズそのものはもちろん、工房、熟成庫、牧場全てに漂う、ミルクと人と自然の温かく、健やかな空気感。命と時がぴったりと寄り添っている安心感。チーズひとくち、チーズの薫りだけでそれを感じられるのです。生きてこのチーズを食べられて良かった、大げさではなく、しみじみと感じさせてくれるのが、吉田牧場さんのチーズなのです。
生きる素晴らしさを感じさせてくれるチーズ。是非ともこれから取り扱わせて頂きたい。その旨をお伝えしたところ、快くお許しを頂きました。これまでの素敵な作家さんや生産者さんの、うつわやワインや食材と調和すること必定です。私の人生にチーズという仲間が。この世は素晴らしいものが沢山ある。感謝。
販売の形態やスケジュールなどは決まり次第お知らせ致します。こうご期待。
0コメント