`とうふ工房ゆう`さんとお豆腐づくり
豆腐。優しく柔らか、清く爽やかな、滋味深い食材。昔から日本、アジア、世界で愛され、食され続けられてきた食材。日々の食卓になくてはならない存在。私も大好きな食べもの、というよりも他の食べものが喉を通らない時でも豆腐なら食べられる、食べたい、そして美味しく栄養も豊富。人々の命をそっと支えてきた存在。
豆腐は大豆からつくられます。素材はほぼ大豆、あとはニガリ程度とシンプル。だから大豆が大切。私が親しくさせて頂いてる、青森田子のにんにく農家の宮村さん。無農薬無肥料で`おおすず`という大豆をつくられていることを知り、そのことを私の大好きな豆腐屋さん`とうふ工房ゆう`を営まれる大久保さんにお話したところ、ではその大豆で豆腐をつくってみよう!ということに。
※大豆を前日から水に浸す。
大久保さんは車好きからディーラーを経験した後、母方のご実家の豆腐屋さんで修行。陸上競技をしていたこともあり日々豆腐はよく食べ、また好きだったそうです。東京の奥地、青梅で独立され、半年で豆腐の品評会で入賞。徐々に地元の方々にも受け入れられ、今はひっきりなしにお客さんが来られる人気店に。
※大豆をすり潰し呉をつくる。
濃厚で旨味が強く、でも柔らかで優しい風味が特徴の大久保さんの豆腐。その秘訣は2日間豆腐づくり参加させて頂き一目瞭然。とにかくこだわって、労力を惜しまないのです。大豆の選別もこの豆腐にはこれ、と自身が納得のいくもののみを使用。そしてたっぷりと使い、濃い豆乳をつくられます。一般的な豆腐では考えられない濃度。でも大久保さんは一般的に流通している豆腐の方が考えられない、あれでは豆腐でないと言い切ります。
※呉を煮て豆乳を搾り出す。残った搾りかすがおから。
人と自然にとって、当たり前のものを当たり前にはつくれない世の中。伝統的に人と自然にとって理に適って続けられてきたこと。そういったものたちが消え去ってゆくかにみえた昨今。でも真なるもの、確かなものは生き残る。そしてそれは美しく、美味しいはず。
※ニガリを入れて固める。
豆腐ひとつをとってみても、大豆を育て、豆腐をつくり、その豆腐を料理し食す人々の思い、所作、感覚がある。それが素直に繋がることを生きる、共生というのではないでしょうか。シンプルな食材だからこそ、それが素直に感じられてくる。
※水のなかでそっと切り完成。
この清く素朴な存在。その存在そのもの、そして存在意義の大切さを伝えてゆきたい。この度は大久保さんと宮村さんのご厚意により、gallery桃李オリジナルの絹ごし豆腐をつくって頂きました。命名`いのちのとうふ`。お味は植物と大地の味がしっかり、ふわっと、優しく広がり、美味しさと風味が軽やかに漂います。生きている食べ物、食べ物と生きることを、しみじみと感じます。
今後ギャラリーにて大久保のお豆腐を扱わせて頂けることになりました。ご提供の方法はまたこれから色々と工夫して考えたいと思っております。またこれからも豆腐をつくってみようとのお話も頂けました。農家さん、豆腐屋さん、お客さん。皆様の様々な素晴らしさ繋げることが出来ましたら。
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