須藤拓也さんを訪ねに、倉敷と豊島と高松へ 後篇
初めて四国の地を踏みました。高松は瀬戸内の海のように清々しく穏やかな街です。
工芸、アート、食、暮らし等に関するものを良い雰囲気でセレクトをされたお店が、街のなかに丁度良い感じで点在します。こちらは”まちのシューレ963”さん。
一泊した後の朝は屋島寺をご参拝。四国はお遍路の地ですよね。かつても今も、色々な人、もの、文化が行き交うのが四国という地なのでしょう。祈りの平和。
須藤拓也さんの工房は屋島のふもとにあります。お忙しいなか温かく迎えて頂きました。すっきりとして凛とした雰囲気が漂うお仕事場です。
東京で作陶されていましたが、数年前高松に居住、そして少し前にここ屋島に移られたそうです。高松の風土や気候、街や人の晴れやかで穏やかな雰囲気に魅了され、移住を決められたそうです。
高松の地の雰囲気と須藤さんの作風、とても良くマッチしているように思われました。穏やかでありながら、ピンと芯が通っている感じがするのです。優しく端正な佇まいといいましょうか。
飲み物を頂きながら、色々とお話させて頂きました。須藤さんのこれまでの経緯。グラフィックデザインからうつわづくりへ。無地のやきものから染付の絵付けへ。ものをつくることによって律する暮らしの在り方。自身の仕事が他者へもたらす喜びの意味。食べるという命の営みの大切さ。温かく淡々と話される須藤さん。それ以上に私の思い、話を優しく聞きながらうなずいてくださるその姿が有り難かったです。
このような方が生きて、素晴らしいものを生み出しているということ。この世に生きるということの意味と意義をこれほど与えてくれるものはないでしょう。そしてこのものたちが命をつかさどる食べ物と人をつなぐのですから。
須藤さんが一番丁度良く思いを込めてつくられるのが、5寸程の六角皿だそうです。私が初めて手にしたうつわも実はこの六角皿。絵付けもそうですが、この形とサイズ感が何とも良く、品格がありますよね。何枚か並べておかずを盛ったら、さぞ素敵な食卓になるでしょうね。
と、色々なお話をしながらお忙しいのは承知のうえで、当ギャラリーならではのささやかな個展をお願いしたいとお話したところ、やってみましょうとのお言葉を頂けました。そして私のアイデアで、六角皿を六種類、36枚の個展というのはという提案にも、初めてだけど面白そうと快諾頂けました。時期は来年5月を予定しています。今から楽しみです。常設でも須藤さんの作品を今後ご紹介致します。宜しくお願い致します。
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